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お家の塗り替え、塗料の種類も多岐に渡っています。環境問題などの観点から注目されている自然塗料についてです。 |
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日本でも過去には柿渋や漆といったように使用されてきた時代はありましたが、「高耐久、短工期、低価格」といったニーズと石油化学技術に発展により、一時はほとんど見られなくなりました。 しかし、化学技術の多用化による、シックハウス症候群、化学物質過敏症など、室内環境の意識の高まりから見直されてきた塗料です。 現在日本で普及している自然塗料はドイツから輸入されているものが多く、ドイツでの自然塗料の「自然」という概念は単に溶剤塗料の水性化やVOC(揮発性有機化合物)が少ないといった概念に留まらず、塗料の原料調達から生産、製品使用から廃棄に至るまでのライフサイクルにのすべての段階で環境に負荷を与えないための評価手法「LCA(ライフサイクルアセスメント)※」が厳格に用いらています。 ●LCA(ライフサイクルアセスメント) 製品の原料調達、生産から消費、そして廃棄に至るすべての段階において、その製品が環境へ与える負荷を総合的に評価する手法のこと。 製品の使用や廃棄に伴う有害物質の排出の有無、処理やリサイクルの容易性など、ある特定のプロセスだけにとどまらず、原料採取、製造、流通などの段階での環境への負荷も評価範囲に含まれます。 |
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| 以上のように、本国ドイツでは環境問題の意識の高さから「100%天然成分」を使用している自然塗料なのか「天然成分が主成分」の自然系塗料なのか審議される程で、「エコテスト」や「エコハウス」(http://www.oekotest.de/)という月刊誌において環境に優しいランク付けまで行われています。 |
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| 自然塗料は特に木材を保護する塗料に多く、日本でも欧米に追従するような形で開発されてきましたが、ドイツでは環境に対する意識の高さから30社程ものメーカーがあります。 | 日本でも室内環境の高まりの中、特に肌の触れる機会の多い内装のフローリングや木製建具等に徐々に普及してきました。ここでは一部ではありますが日本で輸入されている自然系塗料をメーカー別に御紹介させて頂きます。 | |
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OSMO オスモ http://www.osmo.de/ |
ドイツから輸入されている自然塗料の中では最も普及している塗料でしょう。もとは材木屋であったため木の性質をよく知り、木材に合う塗料を模索したところにオスモカラーが生まれました。他の自然塗料が亜麻仁油を主成分にしている製品が多いのに対しヒマワリ油を主成分にすることにより黄変しにくい仕上になる。内部用、外部用ともに部位別品揃えが豊富で、日本で普及している自然塗料の中ではもっとも施工実績があり、耐候性に強い事も証明されています。 | |||
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LIVOS リボス http://www.livos.de/ |
1972年に人間と自然との調和を唱ったルドルフ.シュタイナーの哲学に基づき女性博士による塗料開発がこの塗料の起源です。亜麻仁油を主成分とした塗料で、アロマテラピーの観点から成分にオリーブオイルやラベンダーオイル、ローズマリーオイル等の芳香油が使用されているのが特徴です。「エコテストマガジン」でも常に上位ランクに位置している自然塗料です。 | |||
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AURO アウロ http://www.auro.de/ |
LIVOSにいた社員が独立し立ち上げた会社である事から成分及び製品体系ははリボス社と良く似ています。ライフサイクルアセスメントの手法に基づき100%天然原料を使用し、また成分の内容をすべて公開している。「エコテストマガジン」でも常に上位ランクに位置している自然塗料です。 | |||
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KREIDEZIT クライデツァイト http://www.kreidezeit.de/ |
日本に輸入されるようになったのは上記の三社とくらべると比較的最近ではありますが、ドイツでは下記の「アグライア」と共にトップクラスの評価を持っている塗料です。天然成分100%であるとともに油脂や顔料の粒子が細かく木材に深く浸透し耐久性も強い、クライデツァイト自体は色数が少ないが、日本の輸入代理店であるプラネット社が独自に顔料を輸入しドイツとの共同開発で「プラネットカラー」として日本で上市された塗料。自然塗料の中でも油脂と顔料の濃度が濃く1回塗りでも仕上りが良いのが特徴です。 | |||
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AGLAIA アグライア http://www.aglaia.de/ |
1894年に創業されたベーク社により1969年から製造された歴史ある塗料。上記の自然塗料の中では唯一造膜系の塗料で、ドイツの「エコテストマガジン」でもトップクラスの評価となっている。造膜系であっても木の調湿機能を完全に抑える事はせず、耐水性が強く、仕上り的には肉持ち感、艶に優れる。ただし塗装するにはそれなりの技術が必要になり、メンテナンスを簡単にお施主様ご自身で行うと言う訳にはいかず、プロ向けの塗料ということができます。 | |||
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先に御説明させて頂きました通り、自然塗料はドイツのメーカーを筆頭に多くのメーカーが多くの製品を開発するようになりましたが、自然界にある成分を基調にしていることからもその成分は限りがあり極端に異なると言うわけではありません。 樹脂や顔料、添加剤、溶剤の成分の組み合わせの違いよって多くの製品が市場に出ていると言った方が適切と言えましょう。 |
ここでは塗膜を形成する「樹脂、顔料、添加剤、溶剤」の視点からそれぞれの成分をグラフにまとめてみました。 尚、樹脂(油脂)の成分の種類の違いから塗膜となって木材を保護する方法が異なり以下のように分類することができます。 |
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| オイル系(浸透型) | あまに油やひまわり油等、植物の種子などから採取される「天然油脂」を主成分とし、塗装された場合、木材に深く浸透し木材の質感を残し保護する。 |
| ワニス系(造膜型) | セラックやダンマル等、樹木や昆虫等の「天然樹脂」を主成分とし、木材の調湿機能も残しながらも塗膜を造り素材を保護するため耐水性に強い。 |
| ワックス系(塗膜保護) | 蜜ロウやカルバナロウ等のロウ類を主成分とします。単独のみで使用されることもありますが頻繁なメンテナンスが必要となるため、多くはオイルやワニス塗装後の塗膜の補助膜として使用される。 |
| 樹脂(油脂) | 顔料 | 添加剤 | 溶剤 | |
| オイル系 | 天然油脂 亜麻仁油 ひまわり油 桐油 大豆油 菜種油 |
土性顔料 石膏 イエローオーカー 鉱物顔料 白亜 酸化金属 (二酸化チタン) (ベンガラ) (褐色酸化鉄) (黄色酸化鉄) (黒色酸化鉄) 植物色素 (葉緑素) (アントラキノン) |
防虫、防腐 ホウ酸 ホウ砂 カテーフ ゼンブラ油 乾燥促進 桐油 無鉛乾燥剤 (コバルト) (カルシウム) (マンガン) (ジルコニウム) アロマテラピー 芳香油 (オリーブオイル) (ラズベリーオイル) (サフラワーオイル) (ユーカリオイル) |
柑橘油 (レモンピールオイル) (オレンジピールオイル) (リモネン) エタノール イソファリアーテ テレピン油 バルサムテレピン油 |
| ワニス系 | 天然樹脂 セラック ダンマル コパール ロジン |
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| ワックス系 | 蝋(ロウ) カルバナロウ 蜜ロウ イボタロウ 木ロウ |
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| ※上記図表は全ての成分を網羅しているわけではありません。 | ||||
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| すべての製品に言えますように、一概に石油化学系塗料よりも自然塗料が優れているや、どのメーカーの自然塗料が優れているというような評価をすることはできず、一長一短があると言った方が適切といえるでしょう。大切なのはどの塗料がどのような部分(機能)において優れているかや選択する際にその塗料のメリット、デメリットまたは特徴を押さえておくことでしょう。 | また、一口に自然塗料といっても浸透型のオイル系や造膜型のワニス系などの仕上がり感やメンテナンスサイクルがことなったり、アレルギー反応を起こすことがありますので、自身により合った検討が必要になります。 | |
| 石油化学系塗料 vs. 自然塗料 |
| 石油化学系塗料 |
自然塗料 |
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| 天然成分より強い科学成分による防カビ防腐、紫外線吸収機能が付与されているため相対的に耐候性が強い。 | 耐候性 | 天然成分による防カビ防腐成分等は入っていますが化学成分の機能より劣る。 |
| 乾燥時間が早いため養生期間や重ね塗りの時間のロスが短い。 | 作業性 | 乾燥時間が長いため1日ないし2日の養生期間が必要になります。 |
| 耐候性があるためメンテナンス期間は長い。 | メンテナンス | 耐候性が劣るため頻繁な塗り替え(重ね塗り)が必要。 |
| 同じ機能で同じ容量当たりならば材料価格は安く、作業性が良いため施工費も安い。 | 価格 | 同じ機能であるならば材料費も高く作業性の視点から施工費も高くなる。 |
| 溶剤系から水性化による塗装段階での環境対応は進んでいるが、製品のライフサイクルからの視点で未た場合、製品化段階での高エネルギー投入、それに伴う環境負荷、排気における問題等相対的に環境に優しいとはいえない。 | 環境対応 | 製品の原料調達から製品化、使用、廃棄にいたるまで環境負荷が少なく、塗料の中では最も環境に優しい範疇となります。 |
| ※上記内容は化学系塗料と自然塗料の一般的な相対評価であることを御理解ください。 | ||
| 自然塗料A vs. 自然塗料B |
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1.自分自身の体質に合いますか? 2.仕上がり感の確認 3.メンテナンスのしやすさは? |
![]() フローリングサンプルに試験塗装したもの |
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いままでご説明させて頂きましたように、自然塗料は確かに環境に負荷を与えないといったライフサイクルアセスメントの視点から見た場合、塗料の中では最も優等生と呼ばれるに相応しい塗料でしょう。 しかし建築用塗料の中で相対評価された時、耐候性が弱いや頻繁なメンテナンスが必要など、機能面における劣勢や価格が高い等の問題もあり、全体的にみた場合、未だ普及段階とはいえません。 |
石油化学系塗料が「地球環境問題」や「室内環境問題」に対し「水性化」や「ゼロVOC」での環境対応に向け応戦している中、製品としての価値「質(耐久性)と価格」をどのように改善していくかがが今後の課題と言えるのかもしれません。 また、逆の角度から言えば、社会における塗料を選択する価値基準が「機能の優劣」や「価格」の要素より「環境に優しい」という要素が上回った時、また、頻繁なメンテナンスを行うゆとりができた時、自然塗料の価値が再確認され大きく普及しはじめるのでしょう。 |
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