REPAINTINGお住まいの塗り替え

塗装工程 1, 2, 3

下地処理が済んだらいよいよ塗装に入ります。
塗装工程はどんな作業でしょうか。詳しくご説明いたします。

下塗りについて

下塗りとは、下地処理が行われた素材に最初に施される塗装工程を指し、素材と素材を保護する上塗り材を健全に密着させる機能を持っています。
外壁で使用される下塗り材は大きく分けると下記の2種類となります。

シーラー(プライマー)

外壁素材に浸透し固める役割と、素材と上塗り材との密着を助ける機能を果たします。スレート屋根の塗装工程では、スレート材が風化していることから、ほとんどの場合が浸透型シーラーを使用しますが、外壁塗装(モルタル面)の場合は、粘度が少なく下地の凹凸がそのまま出てしまうため、下地処理が少なくてすむ比較的劣化の少ない場合に多く使用されます。

水性/一液溶剤系/二液溶剤系の種類があり、劣化のない新築時や劣化の少ない下地には水性を使用しますが、劣化の進行度が高くなるに従い浸透力の高い用材系や二液溶剤系を使用します。

屋根塗装における下塗り(遮熱プライマー)

屋根塗装における下塗り(遮熱プライマー)

微弾性フィラー

粘度があり、下地材には浸透しませんが、下地の凹凸を滑らかにする機能と上塗り材の密着を助ける機能があります。 粘度があることから、砂骨ローラー(パターンローラー)を使用することで厚く塗ることがでくきるので、クラックを処理された下地や微細なクラックなど下地に凹凸がある場合でも補修跡を隠す場合に有効な工程です。

シーラーと異なり、水性のみで溶剤系の材料はありません。

砂骨ローラーによる下塗り

砂骨ローラーによる下塗り

左:既存塗膜と右:砂骨ローラーによる下塗り

左:既存塗膜と右:砂骨ローラーによる下塗り

シーラー + 弾性フィラー

シーラーは粘度が少なく浸透し素材を固める役割はありますが、下地処理跡の凹凸や微細なクラックに追従するころはできません。
また、微弾性フィラーは粘度があることから、下地の凹凸に追従し、下地調整の役割を果たしますが、下地材に浸透し固める機能は持っていません。

上記のように、それぞれの特徴から一長一短があり、下地が風化しかつ凹凸の粗い下地には、シーラー+弾性フィラーという工程が用いられます。
この際、下地調整に用いられるのは微弾性フィラーではなく、より下地の凹凸に追従可能な弾性フィラーになります。
上記の工程は劣化の進行が大きい場合に用いられるので、水性シーラーを使用することは少なく、二液溶剤型シーラー + 弾性フィラーの仕様が多い。

エポキシ樹脂下塗り材

外壁がサイデイングの場合、上記のような素材に対する浸透力や粗い凹凸面をなめらかにする機能ではなく、素材に対する密着力が第一に要求されます。エポキシ樹脂下塗り材は、このような場合に適している下塗り材です。
エポキシ樹脂下塗り材はシーリングのブリードを抑制する効果もあるので、モルタル壁であっても、クラックの補修跡がみみず腫れのような状態になっている場合の下地にも効果的です。

水性、一液溶剤型、二液溶剤型があり、密着力やブリード現象に対する抑制効果は二液溶剤型が最も強いのですが、それに応じて価格的にも高価なものとなります。

リフレッシュサフェーサーエポ

リフレッシュサフェーサーエポ

中塗り&上塗りについて

中塗りと上塗りは同じ材料を使い、上塗り2回とも呼びます。
この上塗り工程により、下地材を保護し、色をつけ美観的にも美しく完成させることができます。

屋根:中塗り

屋根:中塗り

外壁:上塗り

外壁:上塗り

屋根:上塗り

屋根:上塗り

尚、外壁塗装や屋根塗装における塗料は石油化学合成により開発された合成樹脂塗料で、その主成分である合成樹脂の種類により耐久性が決定され、下記のように分類することができます。

合成樹脂塗料の耐久性
  • アクリル樹脂塗料:  耐久性 5~ 6年
  • ウレタン樹脂塗料:  耐久性 8~10年
  • シリコン樹脂塗料:  耐久性10~12年
  • フッ素樹脂塗料 :  耐久性15~20年

また、上記の合成樹脂塗料は、希釈材により水性系と溶剤系に分類され、さらに溶剤型は一液型と二液型に分類することができます。

水性系、溶剤系、一概にどちらが良いとはいいきれず、水性が厚膜でやわらかい塗膜を形成するのに対し、溶剤系は薄膜で硬い塗膜を形成することから、水性は下地に対し柔軟に追従することが長所となりますが、汚れが着きやすいという欠点があります。

一方、溶剤系は、水性と比べると汚れも付き難く総合的には耐久性も強いと言えますが、下地の動きに対し追従できず、ひび割れが入りやすいと言う欠点があります。
そして、作業における臭気の問題もあり、住宅地などでは、ご近隣のご理解も必要な場合がありますし、マクロ的な視点から見ますと、地球温暖化など環境問題の視点からは優れた製品とは言い切れません。

機能重視の塗料

さて、上記で記しました塗料の主成分である樹脂の分類により耐久性が決定され、多くの塗料メーカーが差別化による製品開発を行っておりますが、下記でご紹介する塗料は特定のメーカーが独自に開発し製品化されたものや、樹脂以外の特殊顔料や添加剤により機能的に優れた塗料です。

意匠重視の塗料

塗装システムについて

工法(塗装システム)とは以上の下塗り材と中塗り、上塗り材の組み合わせを言います。
例えば、

微弾性フィラー(厚塗り) + 水性反応型シリコン樹脂塗料
微弾性フィラー(薄塗り) + 溶剤型フッソ樹脂塗料

といったようになります。
大手塗料メーカーはこれらの工法に独自にネーミングをつけています。

関西ペイントのアレスホールド工法
SK化研のメンテサーフシステム
日本ペイントのオーデリウォール工法

がそれに当たります。

上記のように下塗り材と上塗り材の組み合わせにより、機能(耐候性、低汚染性、防カビ、防藻性)が決定され、それに応じて価格が変動していきます。
そして、この塗装システムを的確に選択することで価格に応じた質の高い工事をすることが可能になるのです。

塗装システム

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