REPAINTINGお住まいの塗り替え

見積価格について

料金に差があるのはなぜでしょう?
塗装工事の見積の価格には、
一律に単価を決定出来ない難しさと比較の難しさがあります。

なぜ同じ建物を見積もっても価格が違うのでしょう?

塗装工事の見積の価格は、1. 作業性、2. 工法、3. 現在の塗膜(または下地)状況、4. 会社の形態及び方針によって変わります。

ここに一律に単価を決定出来ない難しさと比較の難しさもあります。もう少し詳しくご説明していきますと

  • 1. 作業性
    作業環境(作業しやすい場所であるか否か)、施工規模(面積が大きくなれば相対的に作業性が良くなることから基本的に単価は下がります。)
  • 2. 工法
    どのような材料(シリコンorフッ素等)を使ってどのような塗り方(薄塗りor厚塗り等)がなされるか。
  • 3. 現在の塗膜の状況
    劣化塗膜の剥離作業やクラック処理等、下地の状況により必要とされる下地処理の種類が変わってくるためです。
  • 4. 会社の形態及び方針
    一括下請けによる施工体制か直接施工による会社形態など、施工体制の違いや利益率における方針は価格に如実に出てくると思います。

1~3は同じ会社でも施工単価を一律に出来ない要因で、4に関しては異なる会社によって出来る価格の要因です。

積算者の立場から平たく申し上げますと、既存の塗膜状況を確認し、必要とされる工事工程(工法)を決定し、作業性に照らし合わせ、工事原価を割り出します。
そして、会社が健全に運営存続可能な必要経費を加算し工事価格となります。

但し、見積提示の慣例といたしまして、単価×数量=提示価格となっていることから、先に割り出された見積価格を数量で割り単価を算出することになります。
または、通常、施工業者は多くの様々な状況の建物を積算していることから、自社にとっての単価情報が蓄積されているはずなので、作業環境や既存の塗膜状況を確認し、単価を上下に変動させ適正価格を算出しているということもいえます。

尚、はじめに少々結論に触れさせていただきますが、下記でご説明する例は極端なケースではありますが、価格の変動要素には上記の4つがあることから、相対的に価格が高いといっても下記のように正反対の2種類の理由があり、逆に安い場合でもまた2種類の理由が存在します。

提示価格の高い場合

提示価格の高い場合

提示価格に占める利益の割合が高い

的確な工事を行う予定がないにも関わらず、膨大な価格を提示し、価格の高い理由は他にはない特殊な材料を使用するためと言ったり、自社しかできない特別な工事を行うと言ったりするような、社会問題とも言えるいわゆる悪徳と呼ばれる業者がここに該当するでしょう。
アプローチの手法としては、経年による些細な欠損(ひび割れ等)を論え、「このままでは建物がだめになってしまう」などといったような極端な話で不安な心理に追い込むことが多く、はじめから上乗せされた法外な見積価格から大幅な値引きを行い、即決の契約を迫る手法を行うことが多いようです。
大幅値引は価格に対する柔軟性と映る場合もあるため、良い物を安く買えるような錯覚さえ抱かせる場合もあります。

提示価格に占める工事原価の割合が高い

的確な工事を前提としているため、必要な下地処理と工事工程を前提とし、自社にとって適正な工事原価に必要経費を加えているにも関わらず、比較されている業者の浅識により本来必要とされる下地処理や工事工程に抜けがあり、通常では考えられない安価な価格提示と比べて高いと判断されるケース。また、大幅値引きを行う業者の安価な提示価格が適正と誤解され、その種の業者と比較検討されているため、高額な価格は企業努力不足といった誤解を受けているケース。
このタイプは値引きを要求されてもはじめから余分に上乗せされている利益がないことや、だからといって、値引きによって適正利益確保のために施工品質を落とすことも生理的に許せないため、値引きの要求には一切応じない(または応じることができない)ため、単なる堅物と誤解され敬遠されることも多い。
極端な場合は高額な悪徳業者のような誤解も受ける場合もある。

提示価格の安い場合

提示価格の安い場合

提示価格に占める利益が安い

的確な工事を大前提とし、的確な下地処理も工事工程も提案し、適正な必要経費(粗利益)と算出された提示価格が、恵まれた環境と的確な評価により安いと判断されている場合。
尚、『恵まれた環境』といった表現を使いますのは、一般的に「良心的や誠実さ」など美徳が必ずしもそのように判断されないケースも多々あるためです。

提示価格に占める工事原価が安い

積算者の見識が浅く、必要とされる下地処理や工事工程に見落としがある。
または、極端なケースでは手抜き前提といったような安価な工事原価により、必要以上の粗利益を加算して算出された提示価格でも、結果的に安いと判断される場合。
このタイプは話をよくよく聞いてみると前提としている施工期間が著しく短い。

【ご注意】 上記の価格の高い、安いはお施主様から見た場合の主観的な価格の高低となります。なぜなら、価格の高低の評価は、その都度比較される他の見積価格との相対評価のため、同様な施工価格を提示しても高いと評されたり、安いと評されたりするためです。

価格の目安~設計価格表

はじめにかえって一番難しいお話をしてしまったような感じさえありますが、単価の目安となるものは存在します。
下記の表はある大手材料メーカーの設計価格表の抜粋です。塗装システムに関してはメーカーの製品名が書かれ判りにくくなってしまいますので、塗料の耐久性を決定付ける主成分の樹脂の視点から分類させていただきました。

塗装システム 塗り方(工法) 単価(円)
微弾性フィラー+水性反応型ウレタン樹脂塗料2回 薄塗り(ウールローラー) 2,970
厚塗り(砂骨ローラー) 3,300
微弾性フィラー+水性反応型シリコン樹脂塗料2回 薄塗り(ウールローラー) 3,520
厚塗り(砂骨ローラー) 3,850
微弾性フィラー+水性反応型ふっ素樹脂塗料2回 薄塗り(ウールローラー) 3,960
厚塗り(砂骨ローラー) 4,290
微弾性フィラー+弱溶剤型ウレタン樹脂塗料2回 薄塗り(ウールローラー) 3,410
厚塗り(砂骨ローラー) 3,740
微弾性フィラー+弱溶剤型シリコン樹脂塗料2回 薄塗り(ウールローラー) 3,850
厚塗り(砂骨ローラー) 4,180
微弾性フィラー+弱溶剤型フッ素樹脂塗料2回 薄塗り(ウールローラー) 4,180
厚塗り(砂骨ローラー) 4,510

【ご注意】 材工価格は原則として300m2以上を基準としています。
材工価格には足場代、下地調整代、養生費、諸経費は含まれておりません。消費税込み。

以上の設計価格とは、塗料メーカーが考察した「これくらいの単価であれば塗装業者さんも利益が出るのではないでしょうか」という単価です。家電製品でいわれるところのメーカー希望小売価格と考えるとわかりやすいと思います。
的確な工事工程と仕上りの施工品質を大前提とし、如何に単価を落として施工出来るかはその会社の方針であり、企業努力によるものと言うことができるでしょう。

下記は、塗料メーカーのホームページで閲覧できる設計価格表です。詳しく知りたい方はご参考になさってください。

塗料メーカーによる設計価格表

価格の比較について

塗装工事やリフォーム工事の場合、頻繁に行うものでないことや価格相場の明確な品の購入ではないことから、価格相場や適切な施工法などを知るために、数社による相見積や見積合わせ等をすることは有効な手段の一つといえるでしょう。

但し、ここで注意しなければならないのは、最初にご説明させていただきました通り、

価格の安さ = お得な買い物
 といった図式は 
成立しないということです

なぜなら、単純に、提案されている施工法や施工仕様(材料等)が異なっていたりすることがあることでしょうし、たとえ提案された仕様が同様であったとしても実際に施工される際の施工技術や施工品質が大きく異なることもあるからです。

そして、何より、価格は高いからといって利益率の高さの反映ではなく工事の質を重んじた原価の反映である場合もありますし、逆に安いからといって企業努力によるお得な工事ではなく、工事の質を落とし工事原価自体を安くしている場合もあるからです。
(もちろん、単純に、価格差が、同様な施工原価が想定されている際の、利幅(粗利益)の差額という場合もあります。)

安さ=お買い得?

建設工事という特質上、お見積を提示されている段階では、未完成品であるがゆえ、想定されている製造原価や実際に施工される際の施工原価は未定ということになりますので、目に見える見積価格や仕様書から、目に見えない見積担当者の洞察力(既存建物の現状把握と必要とされる施工法の提示)や仕事に対する姿勢(実際に言った通りの内容を実施するのか否か)を如何に見抜くことができるかが、納得できる工事を選択できるか否かの鍵となります。

最終的には、賢明なるお施主様のご判断が、価格に応じた施工品質の工事を選択することになります。

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