ARCHITECTURAL FINISH建築塗装について

外壁タイル

陶磁器タイルは耐久性の高い高価な素材として、多くの住宅やマンションの外壁に使用されています。
しかし、酸性雨や紫外線による目地のひび割れ、排気ガスなどにより、経年による劣化や汚染は避けることが出来ません。

ここでは、このような外壁タイルのメンテナンス法についてご説明させていただきます。

1施工準備

試験洗いによる薬品ランクの決定

左写真のタイルの汚れは、酸性雨が窓廻りの劣化した変成シリコンシーリングを溶かし、そこから発生した油分の汚れに排気ガスの汚れが混ざった、とても水では落とすことの出来ない汚れです。

そこで、薬品を使用してこの汚れを落とすことになるのですが、洗浄力の強い薬品を使用すると返ってタイル自体を痛めてしまい、洗浄力の弱い薬品ですと汚れがほとんど落ちないため、どの程度の洗浄力をもつ薬品を使用するかを決定するための試験洗いを実施します。

この工程は地味な作業ですが、薬品が強いとタイルを傷めてしまい、弱いと汚れが落ちなかったり、また、たとえ落ちたとしても作業効率が悪くなってしまうため、最も重要な肯定といえます。
塗装工事が段取り8割といわれる所以もこのようなことがあるためです。

さて、ここで使用している薬品は酸性フッ化アンモンをベースとしたクリンストンですが、この酸性付加アンモンの含有率により下記のように分類されます。 (クリンストンのカタログ参照)

品番 含有率 洗浄素材
クリンストン№3M 27.5 粗面御影石、艶消しテラコッタ
クリンストン№4S 20.0  
クリンストン№4 15.0 研磨御影石、レンガ、無施釉タイル
クリンストン№5H 10.0  
クリンストン№5S 7.5  
クリンストン№5M 4.0 研磨石材、施釉薬タイル
クリンストン№6 2.4 施釉タイル・アルミパネル
クリンストン№7 1.2 アルミパネル・ステンレス
外壁タイル 施工準備

外壁タイル 施工準備

外壁タイル 施工準備

2薬品洗浄

外壁洗浄の工程は薬品が浸透し過ぎないように、まず、水だけを浸し、その後下記の工程を行っていきます。

  • 1. 薬品塗布
  • 2. 研磨剤(ブラシなど)によるブラッシング
  • 3. 水洗い(低圧)

尚、薬品塗布からブラッシングには適切な薬品反応時間があるので、2人でペアを組み適度な間隔をあけ施工することにより、洗いムラが起こらないようキレイに汚れを落とすことができます。

以上の工程が終了しましたら、高圧洗浄をかけ薬品が残らないよう洗い流します。

薬品塗布

薬品塗布

研磨剤による洗浄

研磨剤による洗浄

あらい残しがないように

あらい残しがないように

3修正洗い

タイル目地とタイルの際などはブラッシングや高圧洗浄でも汚れが残ってしまうことがありますので、目視検査を行い、汚れの残っている部分は修正洗いを行い、タイル洗浄の工程が完了となります。

以上、ここまでが外壁タイルのメンテナンスにおける下地処理に当たる洗浄の工程ですが、ここまでの工程でタイルの汚れが残ってしまったりタイルを傷めてしまいますと、美しい仕上がりは半減してしまうといっても過言ではありません。

タイルの保護塗装が透明なことから、この洗浄の工程が仕上がりに重要な役割を果たします。

修正洗い

修正洗い

4タイル保護塗装

最後に洗ったタイルを出来る限りキレイに保つよう、そして、目地からの雨水の浸入を防ぐよう、保護材を塗布します。
尚、タイル保護材には、下記の2種類があります。

浸透型吸水防止剤

タイルや目地に浸透し防水層を形成し保護する

クリアー塗装

耐久性に強い透明の塗膜を形成しタイル面を保護する

タイル保護塗装

タイル保護塗装

Before-After外壁タイル 施工前~施工後

外壁タイル before
Before
外壁タイル after
After
外壁タイル before
Before
外壁タイル after
After

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