WORKS施工事例

目黒区S様邸 – 打放しコンクリート再生編

目黒区にて打ち放しコンクリートの再生塗装工事を行いました。弊社ではコンクリート再生の仕様として、安易に新製品を追うのではなく、長年の確かな実績を持つ「ランデックスコートWS疎水剤」を採用しています。

コンクリート再生において最も重要なのは、目に見えなくなる「下地処理」です。経年劣化による雨漏りや内部鉄筋の錆による「爆裂」に対し、丁寧な打診調査やハツリ撤去、徹底した防錆処理を行い、高品質な樹脂モルタルで構造を復元します。また、限られた予算内で最大の効果を出すため、骨材が露出した肌荒れ部のうち仕上がり時に目立つ箇所を厳選して下地調整材で平滑に整えます。

施工品質を極限まで高めるため、「段取り八分」の精神でシーリングなど各工程にその道の専門職人を最適な時期に参画させ、強固に連携。優れた塗料を生かすための入念なプロセスと事前の徹底した準備こそが、最終的な仕上がりと建物の寿命を左右すると確信し、健全な状態へと再生してまいります。

施工前

施工前

施工後

施工後

塗装システム

  • 鉄筋の防錆処理
    ダンジオーラE下塗り

    外部環境との遮断性と、安定した「黒錆被膜」への転換機能を持つ下塗り塗料です。

  • 欠損部補修・断面修復
    NPメガモルハード

    コンクリート構造物の欠損部補修や断面修復に特化した、高品質な再乳化形粉末樹脂混入タイプです。
    最大60mmまでの一発厚付けが可能でありながら、70N/㎟以上の極めて高い圧縮強度と高付着・低収縮性を備えています。
    国土交通省の品質基準(告示第1372号)にも適合したこの材料を用いることで、既存の構造物と強固に一体化させ、新築時のような健全な状態へと再生してまいります。

  • 下地調整
    ミラクファンドKC-1000

    ・強固な密着と耐久性:下地にしっかり密着し、耐ひび割れ性・耐衝撃性を向上させます。
    ・防水性能の底上げ:強固な被膜を形成し、仕上げ塗材の防水効果を高めます。
    ・不具合の未然防止:脆弱な下地を強化し、色むらや密着不良、造膜不良を抑えます。
    ・躯体の健全化:コンクリートの中性化防止、および内部鉄筋の防錆に優れた効果を発揮します。
    ・仲介接着機能:下地調整だけでなく、仕上げ材との密着を助ける仲介役も担います。

  • シーリング
    超耐シーラーTF2000

    「超耐シーラーTF2000」は、オート化学工業社が製造する、極めて高い耐候性と耐久性を備えた1成分形ポリウレタン系シーリング材です。
    主に外壁や土木コンクリートの目地に使用され、塗装下地としてもノンブリード性(成分の滲み出しによる汚れが起きにくい特性)に優れた非常に優秀な材料です。
    一般的なシーリング材の耐用年数が約10年であるのに対し、本製品は約20年という圧倒的な長期耐久性を誇ります。

  • 打放しコンクリート再生
    ランデックスコートWS疎水剤

    コンクリート内部に浸透し防水層を形成する機能と、細かい凹凸塗膜を形成することで雨水を水玉状にし、撥水させる機能があります。さらに、経年で凹凸が複雑になることで、撥水効果が継続する仕組みとなっています。
    水性のため環境にも優しく、耐久性でも実績に定評があり、重要文化財等でも使用される非常に信頼性の高い塗料です。

Step1打診調査

今回の現場では、経年による雨漏りや「爆裂(内部鉄筋の錆による膨張とコンクリートの剥離)」が確認されています。

まずは打診調査を行い、目視では分からない内部の浮きを含めた現状把握に努めます。

また、施工品質を最大限に高めるため、爆裂部のハツリ作業やモルタル補修の工程を精査し、左官職人やシーリング職人の最適な参画時期を算出・調整いたしました。

仮設足場設置・不用品の撤去

仮設足場設置・不用品の撤去

鉄筋爆裂部

鉄筋爆裂部

Step2鉄筋爆裂の補修 (1):ハツリ撤去、鉄筋のケレン清掃、防錆処理

新築時の塗膜やシーリング材が耐用年数を大幅に超過したことで、コンクリート内部へ雨水が浸透。その結果、内部鉄筋に錆が生じ「爆裂」を誘発してしまった状況が伺えます。

「爆裂(ばくれつ)」とは、鉄筋コンクリート造の外壁において、シーリング材や表面の撥水機能が失われることで発生する現象です。内部に雨水が浸透して鉄筋が錆び、その膨張圧力によって表層のコンクリートが押し出されてしまう「鉄筋爆裂」を指します。

コンクリート再生において最も重要なのは「下地処理」です。いかに優れた塗料を使用するか以上に大切なのは、「どのように施工するか」という工程そのものです。特に目に見えなくなる下地処理、なかでも爆裂鉄筋を健全化するこのプロセスこそが、建物の寿命を左右する最も肝要な作業です。

  1. ハツリ撤去:ハツリハンマーで、浮きが生じている箇所を徹底的に除去します。
  2. 鉄筋のケレン清掃:露出した鉄筋の錆を削り落とし、清掃します。
  3. 鉄筋の防錆処理:外部環境との遮断性と、安定した「黒錆被膜」への転換機能を持つ「ダンジオーラE下塗り」を塗布します。

これらの処置を経て、エポキシ樹脂系またはポリマーセメント系の樹脂モルタルで埋め戻す準備を整えます。

爆裂部ハツリ

爆裂部ハツリ

鉄筋のワイヤーブラシケレン

鉄筋のワイヤーブラシケレン

防錆処理

防錆処理

Step3鉄筋爆裂の補修 (2):樹脂モルタルによる埋め戻し

前日に実施した防錆処理の十分な乾燥時間を経て、ポリマーセメント系モルタルによる成形作業を行います。

コンクリート構造物の欠損部補修や断面修復に特化した補修材「NPメガモルハード」を用いることで、既存の構造物と強固に一体化させ、新築時のような健全な状態へと再生してまいります。

NPメガモルハード攪拌

NPメガモルハード攪拌

NPメガモルハード1回目

NPメガモルハード1回目

NPメガモルハード2回目

NPメガモルハード2回目

Step4「肌荒れ」補修

打ち放しコンクリートは、主にセメント、砂(細骨材)、砂利(粗骨材)、そして混和剤によって構成されています。

経年劣化により表面の撥水性が失われると、雨水などの影響でセメント成分が徐々に流出。その結果、内部の骨材が露出し、表面がざらついた「肌荒れ」の状態へと進行してしまいます。

本来であれば、全面をポリマーセメント系モルタルで補修できれば理想的ですが、現実にはどの現場においても予算には限りがございます。そこで重要となるのが、職人や施工チームの経験に基づいた「的確な見極め」です。弊社では、限られたご予算の中で最大限の美観と耐久性を引き出すべく、仕上がり時に肌荒れが目立つ箇所を厳選。ポリマーセメント系下地調整材「ミラクファンドKC-1000」を用い、一箇所ずつ丁寧に平滑な状態へと整えてまいります。

肌調整準備前のカチオン系シーラー

肌調整準備前のカチオン系シーラー

ポリマーセメント下地調整による肌調整

ポリマーセメント下地調整による肌調整

肌調整後【サンドペーパー研磨前】

肌調整後【サンドペーパー研磨前】

Step5劣化シーリング撤去

シーリング工事で最も重要なのは、適正な厚みできれいに仕上げることであり、改修工事においては既存のシーリングをいかにきれいに撤去できるかが鍵となります。

さまざまな作業をこなす「多能工」も存在しますが、効率や専門性を追求すると、毎日その作業に特化している専門職人には敵いません。実際にシーリング工事の現場では「撤去する職人」と「打つ職人」で役割が分かれており、ベテランのシーリング職人でさえ、豊富な工具を使いこなす撤去専門職人のスピードときれいさには及ばないほど、それぞれの「役割分担」には大きな意義があります。

シーリング撤去

シーリング撤去

既存の劣化シーリング

既存の劣化シーリング

既存シーリング撤去後

既存シーリング撤去後

Step6シーリング打ち

弊社では、打放しコンクリート仕上げの要となるシーリング材に「超耐シーラーTF2000」を採用しております。極めて高い耐候性と耐久性を備えたシーリング材で、一般的なシーリング材の耐用年数が約10年であるのに対し、本製品は約20年という圧倒的な長期耐久性を誇ります。

高性能な材料のため、初期費用は高くなりますが、次回のメンテナンスまでの期間を大幅に延ばせるため、トータルのランニングコストを抑えることができ、結果として非常に費用対効果の高い選択となります。

材料価格の高騰や、乾燥に時間を要するといった施工上の制約(デメリット)はございます。しかし、弊社ではメーカーの工場や暴露試験場を実際に視察し、その品質を直接確認した上で、自信を持ってこの仕様を推奨しております。

超耐シーラーTF2000充填

超耐シーラーTF2000充填

へら均し

へら均し

超耐シーラーTF2000

超耐シーラーTF2000

Step7打放しコンクリート再生塗装

「ランデックスコートWS疎水剤」による打放しコンクリート再生塗装では、コンクリートの意匠(模様)を塗りつぶしてしまうことなく復元し、耐久性の高い撥水剤を塗布することで、打放しコンクリートを美しく再生させます。

下塗り材として、耐久性や耐候性、意匠性のある仕上材と基材を密着させるためのプライマーを塗布。次に、コンクリート面に撥水と防水の機能を持たせる「ランデックスコートWS疎水剤」を塗布します(1回目)。

その後、意匠形成の第一段階として、新築時からのムラや経年によってできた劣化跡をコンクリートの自然な風合いを残したまま均一にするFCコートを塗布。次に、意匠的な要となる「パターン付け」を行い、パターン液の色を調整しながら、自然な風合いのコンクリート模様を復元していきます。

意匠を施したのち、最後にもう一度WS疎水剤を塗装し、完成となります。

詳しい塗装工程はこちらをご覧ください。
>> 安田塗装の打放しコンクリート再生塗装

打放しコンクリート再生塗装完了

打放しコンクリート再生塗装完了

斜壁はウレタン塗膜防水SD工法

斜壁はウレタン塗膜防水SD工法

手摺等はファインウレタンU100半艶仕上

手摺等はファインウレタンU100半艶仕上

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