つれづれ

友情

おめでとう小平選手

友情

 小平選手と李選手の国境を越えた友情と人としての優しさにどんなに多くの人が感動したことでしょうか…

日本への対抗心をむき出しにする韓国メディアでも、異例の扱いで、日韓の爽やかな友情物語として注目されているとのことです。

両選手が競技後に抱き合った際、小平選手が「あなたは私が尊敬する選手だ」と語りかけると、李選手が「500メートルも1000メートルもうまく滑れるあなたが誇らしい」と応じました。

自国ファースト、自民族中心主義、宗教的排他主義、相対的に他民族や他国、他宗教を見下すことで自身の国家や民族、帰属する組織に対する組織愛を表現するナショナリズムは、憎悪をあおり、人々の心や絆の分断を増長します。

本当の意味での愛などとは程遠く、所詮、組織愛を隠れみのにした卑屈な自己愛と自己陶酔の現れに他なりません。

しかし、スポーツや文化は、国境や人種を超え、互いに尊重し合うなかで、創造的で血の通った交流がはじまることを教えてくれます。

人を組織の手段とするようなイデオロギーではなく、「人間のための組織」という、一人の人間の幸せを目的とする人間主義こそが、なかんずく、あらゆる属性の垣根を乗り越えた友情こそが、愛と平和を育むことができることができるのでしょう。

政治には矛盾があり、経済には格差がある。しかし、友情は平等であり、普遍であり、永遠である。

この言葉を理想論として片づけるのではなく、わが身をもってを証明してくれた両選手によって、多くの人々が感動を呼び起こされ、心と心が結ばれたにちがいありません。

小平選手、おめでとう。そして、ありがとう。

昨年秋、杉原千畝記念館を蘇生させて頂いた際の理念の現場の様子を映像にまとめさせて頂きました。