杉原千畝ハウス

 2017.1.26、リトアニアのカウナスのカイリース副市長が外務省主催(早稲田大学)「バルトセミナー」において「秋に塗魂ペインターズがカウナスの杉原ハウスに来てくれます」との言葉を受けて、塗魂による杉原ハウスボランティア決定。

前々日の24日、名古屋市の杉原千畝ゆかりの地である「人道の道」の視察後、塗魂ペインターズによるカイリース副市長歓迎会の席でご挨拶させて頂きました。

塗魂ペインターズは、何のために、杉原ハウスを塗装しに行くのか…

ご挨拶原稿は下記の通りです。
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カイリース副市長、この度は遠くリトアニアのカウナスからお越しくださり、また、杉原千畝ゆかりの地である名古屋をご一緒に歩いて下さり心より感謝申し上げます。

ザヴェツキエナ書記官、そして、ご来賓の皆様、本日は貴重なお時間を割いて下さり、心より感謝申し上げます。

本日、ご一緒させて頂く中で、我が心は天空を駆け抜け、時を遡り、77年前のカウナスに思いを馳せておりました。

時は第二次世界大戦、真只中、憎しみの心に支配された、差別と抑圧の指導者らがいた。

彼らは、国家や宗教、民族など、あらゆる差異で人々の心を分断し、自国の繁栄という大義のもと、尊き人の命を虫けらのごとく扱ってきたのです。

1940年7月18日の早朝、千畝はカウナスの領事館にいました。
千畝がカーテンを開けると、窓の外には、
まだ、あどけない子供がいた。
我が子を思い、不安に涙する母がいた。
只々妻と我が子だけは救いたいと願う疲れ切った父がいました。
戦争によって住まいを追われた一般市民の人たちです。

千畝は、外交官として、任務を果たすことだけを選んでいたのであれば、どんなにか楽だったに違いありません。
しかしながら、彼の心は、この世に人間として生まれてきた意味を問い、国境を越え、時を超え、悔いのない人間としての生き方を希求していたのであります。
だからこそ、彼は国家の偏狂な意思に背き、自身の心の声に耳を傾け、目に前の一人一人の命を救うことを決断したのであります。

あれから、77年、時は流れ、物質的には豊かになり、科学技術も進歩いたしました。
あの時代のことは、遠い過去の出来事のようにも思われます。
しかし、本当にそうなのでしょうか…

時代は変わっても、変わることなく差別発言の指導者らがいる。
民衆を犠牲にしながら軍事力を強化する国家がある。
テロリズム、人種差別、ヘイトスピーチ等、いまだ絶えることはありません。
時は経ても、悪しき戦争の因は人間の心の中に宿っているが故、同じ過ちを繰り返す危険性はいたるところにあるのではないでしょうか…

先哲曰く、「危険があることを知りつつも、自分に被害が及ばないからといって、放置することは、結果において悪と変わらない」

私たち(塗魂ペインターズ)は、けして有力の政治家でもなく、金持ちでもない、庶民の中の庶民の、ペンキ屋です。しかしながら、千畝の心の中に脈打つ世界市民としての魂の鼓動を感じることができます。

リトアニア(貴国)は、武力で他国を威嚇する軍事大国でもなく、お金で何でも買えると錯覚した経済大国でもありません。
貴国は、非暴力の「人間の鎖」で独立を果たした、世界でも稀にみる精神大国です。

今、まさに、この時代だからこそ、この世に生を受けた一人の人間として、精神大国の皆様と協力して、できることがある。
否、私たちでなければ、できないことがあるのではないでしょうか…

ペイントには蘇生という意味があります。

精神大国のカウナス市民の皆様と共に、杉原ハウスのペイントを通し、77年前、千畝の心にこだました「人間には誰しも幸福に生きる権利があり、誰も置き去りにしてはならない!」との思いを蘇生させ、
戦争の惨禍を食い止め、差別と抑圧をなくし、人権が守られる世界を築くため、
勇気の波動を世界に訴えてまいりたいと思うのであります。

どうか、この9月、カウナスでお会いできますことを心より楽しみにしております。
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Good evening Mister Kairys, the Deputy Mayor,
Thank you very much for visiting Japan. And we are thankful for walking with you along NAGOYA, a place noted deeply connected with SUGIHARA CHIUNE.

During our walk just now, my mind ran through the sky, went across time,
and I thought of the Kaunas City 77years ago. In the Second World War, there were leaders driven by hatred, discrimination and oppression.

They tear off people’s hearts by abusing the differences between countries, religions and nations. And in the name of the prosperity of its country, they treated people’s lives like nothing.

On 18th of July, 1940. The Japan Consulate in Kaunas was crowded by numerous of innocents. There were mothers crying for their children.
And there were fathers praying exhaustedly for their wives and children.

There is no doubt, it would be much more easier to choose to do its job
like everyone does as a diplomatic agency. But CHIUNE, questioned himself about the meaning of his life. And finally he found himself looking for the way of life just like everyone else.

This might be the reason why he listened to his heart and chose to disobey his country, saving people’s lifes in front of him.

After 77years, as time goes by, people are living a better life. People think that was just simply a part of the history, but is that so…

No matter time passes, there are still leaders addressing hate speech, there are countries reinforcing its military force but sacrificing their people. Terrorism, racial discrimination, hate speech never ends…

We are neither powerful politicians nor rich persons, we are just ordinary people, we are simply painters. But we are able to feel the heart beats of CHIUNE with his soul as a global citizen.

Lithuania is one of the most known Spiritual Country which achieved the independence by the Baltic Chain. As a human, exactly in this era, there is something we can do now. No, we should say there must be things to be done for this world…

The word "Paint" also means "Revive".

Let us be with CHIUNE’s heart through the Painting of SUGIHARA HOUSE.
Let’s stop all the wars, say no to discrimination and oppression.

As CHIUNE always says, "Everyone has the rights to live their life happily and nobody will be left behind". We must keep telling this and let’s make our world a better place with human rights.

We look forward to seeing you in Kaunas in this September.
Thank you.