201711/17
れんげ学園
リトアニアのカウナス市での杉原ハウスプロジェクトを無事成功をおさめ、帰国して最初の塗装ボランティアは東大和市の児童養護施設、れんげ学園です。
児童養護施設の入所理由はここ30年で様変わりし、かつて入所理由の大半であった親との死別や、両親の不和ではなく、児童虐待や経済的理由が最も多いとのことです。
このような施設では、一人当たりの先生のご負担も大きく、建物に対しても、雨漏りなど、建物にとって致命的な欠陥を改修する予算は捻出されても、建物をきれいにするまでの予算は出ることは稀で、職員の皆様でペイントしていたとのことでした。
しかしながら、毎日生活する場がきれいであるか否かは、建物にとって致命的な欠陥とはならなくても、生活している子供たちの心には大きな影響をもたらすことは、教育に携わっている先生にとっては知悉していたに違いなかったのでしょうか…
縁あって他の児童養護施設で出会った先生から連絡を受け、塗魂の西東京のメンバーが中心になり内部共用部の塗装をさせて頂くこととなりました。
塗魂東京長曰く「テレビ局や新聞社が取り上げられるための大きなイベントとしてのボランティアではなく、このように誰の目にも触れることのない活動こそが大切なのでしょうか…」
たとえ規模は小さくても、背伸びすることなく、純粋な思いで関わる人の心の中に勇気や希望を贈り笑顔にさせることが目的なのか…
名聞名利を得るための社会貢献利用なのか…
姿は似ていても、心の中は天地雲泥の違いです。
ここれんげ学園では、マスコミが報道されることを前提としたボランティアでもなく、子供たちと一緒になってイベントを行うような、華やかでスポットライトが当たるような大きな活動ではありません。
しかし、繁忙期の多忙な中、仕事の現場を空け、施設の子供たち一人一人の将来に思いを馳せ、誰も目に触れないところで、黙々と作業に徹するこの日集った塗魂メンバーの尊い姿に、あらためて一人の人間としての真価を垣間見させて頂きました。
作業も終わりに近づくと、ランドセルを背負った子供たちが帰ってきて、驚いた顔をして中を覗き込みます。
手や服にペンキが付かない様に気を付けて中に入りながら、「きれいになったね」との一人一人の笑顔に照らされ、経済活動としての塗装を忘れ、ペンキ屋の親父として、一人の人間として充実した瞬間を刻ませて頂きました。
自分だけの幸福追求でなければ、自己犠牲でもない、自他共の幸福、これが塗魂活動の目的なのです。
さて、このような私たちの活動ができるのはほかでもない、道具や塗料、休憩時間の飲み物やお菓子まで支援して下さる協賛メーカー、応援団の皆様がいらっしゃるからなのです。
誰の目に触れることもない、ささやかなプロジェクトを察知し、副資材や飲み物をご提供くださいました、好川産業様、三興塗料様、日進中部様、そして最新の機能塗料をご提供下さいました菊水化学工業様に衷心より感謝申し上げます。