スギハラハウス

スギハラハウス再生|無言の施工

足場の上に等間隔に並び作業開始

足場の上に等間隔に並び作業開始

尊敬なる大野隊長2

仲間の思いを背負い、刷毛を動かした2日間

選抜された職人たちが足場へ上り、スギハラハウスの仕上げ塗装が始まりました。

事前の打ち合わせどおり、刷毛を縦横へクロスさせるように動かし、下地プラスターの細かな凹凸までシリカットペイントを丁寧に刷り込んでいきます。

塗り継ぎによる色むらを防ぐためには、足場に並んだ職人全員が周囲の進行速度を確認し、同じペースで作業を進めなければなりません。一人だけが先へ進むことも、途中で手を止めることも許されない、緊張感の高い施工です。

普段の塗装現場であれば、作業の合間に笑顔や和やかな会話が交わされることもあります。

しかし、この日の足場には、いつものような笑い声がありませんでした。

聞こえるのは刷毛が壁面を擦る音と、施工上必要な短い確認の声だけです。それ以外は、ほとんど無言のまま作業が進められました。

文化遺産であるスギハラハウスを、必ず美しく再生すること。そして、足場に上がることができなかった仲間たちの思いにも応えること。

施工を担当した一人ひとりが、その責任を自覚していたからこその静けさでした。

「必ず成功させる」

誰も言葉には出しませんでしたが、足場に立つ職人全員が同じ決意を抱いていたに違いありません。

その職人たちを指揮していたのが、施工隊長を務めた大野塗装の大野雅司社長です。

限られた人数を選ばなければならなかった葛藤を胸に抱えながら、今度は施工責任者として、仕上がりのすべてに責任を負わなければなりません。

仲間の気持ちを理解できる優しさがあるからこそ、大野隊長が背負った責任は、より重いものだったと思います。

大野隊長は、職人一人ひとりの動きや塗り進める速度、塗料の状態、仕上がりを確認しながら、必要な指示を的確に出していきました。

足場の上で刷毛を動かしていたのは、選ばれた職人たちです。しかし、その一本一本の刷毛には、日本から駆け付けたすべての仲間の思いが込められていました。

誰が目立つかではなく、プロジェクトを成功させることを最優先にする。その共通の目的が、職人たちを一つの施工チームとして結び付けていたのです。

こうして、張り詰めた緊張感の中、スギハラハウスの仕上げ塗装は2日間にわたって黙々と進められました。

映像は9月のスギハラハウスプロジェクト完了後に作成させて頂いたものです。

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