屋根塗装

縁切り部材のタスペーサー1

スレート屋根の毛細管現象

浸透シーラー塗布直後

浸透シーラー塗布直後

タスペーサーを入れ隙間を確保

タスペーサーを入れ隙間を確保

2mm程度の隙間の確保で毛細管現象により溜まったシーラーが流れ出ます。

2mm程度の隙間の確保で毛細管現象により溜まったシーラーが流れ出ます。

右写真は、スーレート瓦の重なり部分に、適正な通気を確保する為縁切り部材のタスペーサーを設置(挿入)する拡大写真です。
(東京都三鷹市)

スレート瓦の屋根塗装の際、塗装工程3工程を行いますと、ほとんどの場合重なり部分に塗料が入り込んでしまいます。

この状態ですと、雨や雪が降った場合、毛細管現象により、雨水を吸い上げてしまい、なかなか雨水が抜け切らないという悪循環が起こります。

上記の状態を放置してしまいますと、下地合板を腐食させたり、最悪の場合、塗装したによって、返って雨漏りが生じたといくケースもあります。

このようなことを起こさない為、塗装工程終了後、「縁切り」という作業が必要になります。

しかし、この「縁切り」作業は労力がかかり、また、注意深く行わないと、折角塗装した部分に傷をつけてしまったり、スレート瓦を割ってしまう危険もあります。
また、縁切りした後にしばらくしてまた密着してしまったということもあります。

そこで、この縁切りの労力を半減し、かつ、塗装しても重なり部分に適正な隙間を確保し、縁切りの必要性をなくすことが出来る縁切り部材が「タスペーサー」です。

上写真3つは、シーラーを塗布した後、しばらくしてタスペーサーを入れる写真です。

瓦の重なり部分に、タスペーサー挿入後、隙間が出来ることで、毛細管現象(表面張力)によって溜まっていたシーラーが流れて出る様子がお分かりいただけるでしょう。
このように、タスペーサーで適正な隙間を確保することで、その後の上塗り2工程でも塗料が入り込まないようにして、「縁切り」の必要性をなくすことができます。

尚、このタスペーサーはスレート瓦に2箇所、的確な場所に挿入することで上記の効果を発揮いたします。

毛細管現象
液体が表面張力によって狭いところに吸い上げられる現象。

縁切りの労力
日本の平均的な住宅で、延べ床面積30坪程度の総二階の屋根ですと70~80㎡の面積があります。
この面積の縁切りで大凡2人で1日(2人工)の労力を要します。
タスペーサーの場合は、1人で半日から2/3日で、タスペーサーの材料費がかかるものの人件費は半分以下に抑えられ、かつ確実に通気を確保することが出来ます。

縁切りの手法としてどちらを選択するかは厳密には現場の状況によりますが、現場の状況でタスペーサーの設置が可能であれば、縁切りの確実性の視点から見た場合、タスペーサー設置に軍配が上がるといえるでしょう。