202605/08
スレート屋根塗装|縁切りの重要性
タスペーサーで雨水の排出経路を確保
スレート屋根の塗装において、仕上がり後の防水性を守るために重要となるのが「縁切り(えんぎり)」です。
屋根塗装は一般的に、下塗り・中塗り・上塗りの3工程で行います。ただし、屋根材や塗料の種類、劣化状態によって施工仕様は異なります。
塗料を重ねると、スレート屋根材の重なり部分へ塗料が入り込み、本来確保されていた隙間を塞いでしまう場合があります。
この隙間は、屋根材の下へ入り込んだ雨水を軒先方向へ排出するための通り道です。塗膜で塞がれると水分が滞留しやすくなり、狭い隙間では毛細管現象によって雨水が奥へ吸い込まれる可能性もあります。
その状態が続けば、下葺き材の劣化状況などによっては、雨漏りや野地板の傷みにつながるおそれがあります。
そこで弊社では、必要に応じて「タスペーサー」という縁切り用の専用部材を使用します。
下塗り後、スレート屋根材の重なり部分へタスペーサーを挿入し、塗装後も雨水が排出される隙間を確保します。従来のように完成後の塗膜をカッターで切る方法と比べ、屋根材や仕上げ塗膜を傷付けにくく、施工状況を確認しやすい点も特長です。
タスペーサーの製造元による実験でも、適切な隙間を設けることで毛細管現象による雨水の吸い上げが起こりにくくなることが確認されています。▶タスペーサー「縁切り工法」
ただし、すべてのスレート屋根へ一律に使用するものではありません。
屋根材同士に4mm以上の隙間が確保されている場合など、縁切りが不要なケースもあります。また、屋根材の種類や劣化状態、メーカーの改修仕様によっては、差し込み型部材が適さない場合もあります。
施工前に屋根材の種類と隙間を確認し、タスペーサーの使用または手作業による縁切りなど、適切な方法を選定することが重要です。
屋根の防水は、表面の屋根材だけで完結しているわけではありません。
外側のスレート屋根材が雨水を受け流す「一次防水」、その下に敷設されたルーフィングが建物内部への浸水を防ぐ「二次防水」として働きます。
屋根材の下へ回り込んだ雨水は、ルーフィングの上を通って軒先へ排出されることを前提としています。そのため、塗装によって排水経路を塞がないことが大切です。
縁切りが不十分な状態で水分が滞留すると、ルーフィングが劣化している場合には、継ぎ目や釘などの固定部分から雨水が浸入するリスクが高まります。
屋根塗装は、単に色を塗り替える工事ではありません。屋根の構造と雨水の流れを理解し、塗装後も本来の排水機能を維持することが、住まいを長く守る施工につながります。
























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